【自治体】浦安市、震災義援金3.1億円が市庁舎改築・花火大会に使われていた

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2きのこ記者φ ★
浦安市の財政課に尋ねると、平然と言い放った。
「浦安市では、義援金は市の災害復旧に活用することになっています。そのために義援金を一般会計で預かっている。
このことは、今秋に公開される平成23年度予算の決算書に記載される予定です。義援金の用途は道路などの災害復旧に
決まっているので、問題ありません」

この屁理屈は、二重の意味で間違っている。内閣府防災基本計画の担当者は義援金の扱いについて、こう指摘する。
「義援金に関して法的な定義があるわけではありませんが、東日本大震災をきっかけに修正された『防災基本計画』のなかでは
義援金に関する考え方が示されています。そこでは義援金は配分ルールを取り決めて、被災者にいち早く配分すべきものと定義されている。
市民から義援金と称して集めたお金を、市の予算としてしまうのは、少なくとも道義的に問題であることは間違いありません」

同じく義援金を募った千葉県旭市では、被災者に配る義援金と市への寄付金を明確に分けている。
どうやら浦安市もその問題に気づいていたようで、何とも姑息なゴマカシを行なっていた。
市は本年度から「災害義援金」を「災害復旧寄付金」という名称に改め、「被災者への義援金」を「市への寄付金」に衣替えさせたのだ。
「誤解を生んだことに気づいたから変更したのではないか」と質すと、財政課担当者は「まあ、ええ、そうです」と認めた。

もうひとつの詐術はさらにタチが悪い。市は「義援金の用途は災害復旧に決まっている」というが、3億円の義援金はいったん
一般会計に組み入れられたが最後、他の財源と混ざり合って様々な用途に使われてしまうことだ。
たとえば浦安市は、総額110億円をかけた市庁舎の建て替え計画を震災以前から進めており、昨年度は庁舎建設基金に1億円が計上されている。
また毎年夏に行なわれる市の花火大会(今年は7月28日に開催)には、毎回7000万円が市の予算から拠出されている。

こうした予算はすべて一般会計から出されるため、3億円の義援金も、これらの費用補填に使われたことになる。
浦安市財政課はこのことについても、「確かに(義援金は)会計上何も区分せずに一般会計に入れているので、
市庁舎建設や花火大会に使われているといわれても否定はできません」と、渋々認めた。
レポート/福場ひとみ(ジャーナリスト)