★ 再生エネ、被災地で3倍 震災後計画、太陽光・地熱伸びる
東日本大震災で大きな被害のあった岩手、宮城、福島の被災3県で、
電力会社以外の事業者による再生可能エネルギーの発電能力が、震災前の約3倍になる見通しであることが17日、
日本経済新聞社の調べで分かった。福島第1原子力発電所の事故を受け、代替エネルギーへの転換が全国に先駆けて進んでいる。
電力会社以外が手掛ける太陽光、風力、地熱、バイオマスの発電施設の発電能力を集計した。
出力1000キロワット以上の稼働済み施設と計画が対象。震災後に稼働した施設は2カ所(発電能力6000キロワット)、
計画が判明したのは23カ所(同57万5000キロワット)に上る。
特に増えたのが太陽光発電だ。震災前は1カ所だけで発電能力は1500キロワットにすぎなかったが、震災後に20カ所、24万3000キロワットが加わる。
東芝が福島県南相馬市で国内最大級となる10万キロワット規模を検討、日立製作所や丸紅は宮城県岩沼市で3万2000キロワットの施設を計画している。
地熱発電は2カ所で27万7000キロワットの計画が進んでいる。
出光興産や国際石油開発帝石が福島県内で2020年ごろの稼働を目指して27万キロワットの施設を建設する方針。
JFEエンジニアリングも岩手県八幡平市で事業化を検討する。
風力は2カ所で5万6000キロワット。丸紅、三菱重工業など10社が経済産業省から福島県沖に洋上風力発電所を建設する実証事業を受託した。
九州で風力発電所を運営するジャネックス(福岡市)は岩手県一関市と宮城県登米市にまたがる山林に建設を計画する。
7月に再生エネの全量買い取り制度が始まり、企業の新規参入が加速している。
特に被災地は復興特別区域(特区)で農地転用の要件が緩和され、浸水した農地に発電所の用地を確保しやすい。
被災自治体は復興計画に再生エネの導入を盛り込んでおり、企業に対する誘致活動も活発だ。
稼働済みと計画中の施設の合計出力は88万キロワットで原発1基分に相当する。
日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB17009_X10C12A8MM0000/