【週刊朝日】40歳定年制の発案者・柳川東大大学院教授 「大企業でもバタバタと潰れる時代来る。そうなる前に手を打たなければ」★3

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927名無しさん@13周年
 現行の日本の雇用制度や雇用慣行では、正規労働者があまりにも保護されすぎており、
結果的に若者が排除される傾向がある。雇用確保の責任を企業だけに押しつけすぎている日本の制度の欠陥である。
すでに企業に正規労働者として雇われており、「指定席についている」人たちは、手厚く守られているが、
新たに労働市場に参入してくる若者はそれだけ不利な地位に置かれることになるのだ。
雇用責任を負わせられた企業としては、不況下でそう簡単に新規採用に踏み切ることは難しいからだ。

 労働経済学の世界では、こうした現象を「インサイダー・アウトサイダー問題」と呼ぶ。
正規雇用労働者であるインサイダーの権利が強くなるほど、非正規雇用労働者や若者などのアウトサイダーが市場から不利な扱いを受けることになる。
すべての人を正規雇用労働者並みにすればよいという乱暴な議論もあるようだが、インサイダーを作れば、
かならずその外にアウトサイダーが生まれるのだ。それが職を得られない若者か、
それとも不当な扱いを受ける非正規労働者か、さもなければ失業者かの違いはあるだろうが。
いずれにしろ、アウトサイダーからスタートせざるを得ない若者がもっとも不利な状態に置かれることになる。

 日本の雇用制度は重要な転換点に来ている。企業だけに雇用責任を押しつけるのではなく、
政府や社会が雇用を作る仕組みに転換する必要がある。北欧やオランダなどで行われているように、
企業にもっと解雇の自由を認めると同時に、職を失った人の転職と所得保証を徹底的に政府が面倒を見る制度を検討する必要がある。
解雇の自由度が高まればこそ、企業ももっと気軽に新規雇用に踏み切れるというものだ。
雇用の流動化を高めることは、構造変化の激しい経済の実体に適応することでもある。
ある人から聞いた話だが、デンマークでは職を失うとおめでとうといわれることがあるという。
先のない産業や企業にしがみつくのではなく、将来性のある職種に転換できるチャンスが生まれるということだろうか。

【日本の未来を考える】東京大・大学院教授 伊藤元重 企業任せの雇用に転換点
http://megalodon.jp/2010-0408-2142-14/sankei.jp.msn.com/economy/business/090307/biz0903070258002-n1.htm