【日経】引き分け狙いのなでしこジャパン 「フェアプレー精神はどこへ」「相手へのリスペクトは」 日本中の人々を落胆させた罪は重い★3

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1968年のメキシコ・オリンピックで、日本を率いていた長沼健監督が準々決勝で地元メキシコと当たらないようにす
るため、グループリーグ第3戦のスペイン戦で引き分けを指示したことはよく知られている。

 その試合の後半途中、湯口栄蔵選手を送り出すとき、長沼監督は「点を取るな、このまま0―0の引き分けに持
ち込めとみんなに伝えろ」と指示した。狙いどおりに0―0で引き分け。準々決勝でフランスと当たった日本は3―1で
快勝して、銅メダル獲得の大きな足がかりとした。

 しかし、ロンドン五輪での女子日本代表(なでしこジャパン)はまったく立場が違う。前年の女子ワールドカップを制した
世界チャンピオンであり、カーディフには何千人もの日本人ファンがつめかけていた。

 日本でも眠い目をこすりながら数多くの少年少女が期待に胸をときめかせて見守っていたに違いない。

 そして、佐々木則夫監督の会見はすべて英語に訳され、世界に伝えられる。「2連敗のあと、世界チャンピオンに引き
分けることができて、私は選手を誇りに思う」とコメントした対戦相手、南アフリカのムクホンザ監督や選手たちは、佐々木
監督のコメントを聞いてどう感じただろうか。

 何より、なでしこジャパンと同義語ともいえた「フェアプレー」の精神はどこへ消え去ってしまったのか。そしてまた、相手チー
ムに対する「リスペクト」は……。

 佐々木監督は、試合後の記者会見でこうはっきりと語ったのだ。

 「準々決勝の相手はどこでもいい。ただ、1位ならグラスゴーへの移動、2位ならここカーディフに残って試合ができる。
コンディションを考え、後半の途中に引き分けを選んだ」

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO44407890R00C12A8000000/

【五輪】佐々木監督「きみ(川澄)の素晴らしいシュートはやめてくれ」 ドロー狙いのなでしこジャパン・・フェアプレー精神はどこへ★2
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1343797034/
2BaaaaaaaaQφ ★:2012/08/01(水) 15:22:55.13 ID:???0
■燃えさかろうという選手の心に水

 しかし、試合前に佐々木監督は選手たちに「状況次第では引き分け狙いにすることもありうる」と話したという。

 主力を休ませるためとは分かっていても、ようやく巡ってきた先発のチャンス、選手によっては初出場のチャンスに燃えてい
なかったはずがない。しかし、佐々木監督の言葉は燃えさかろうという瞬間に水をかけたようなものだった。

 立ち上がりから日本の攻撃はまったくさえなかった。運動量もコンビネーションもなく、判断も悪く技術的なミスも目立った。
前半の最大のチャンスは、左から岩渕が入れたクロスが相手DFに当たってあわやオウンゴールという場面だった。

 そして選手交代なしで臨んだ後半もまったく同じようなプレーが繰り返された。それどころか、前半の無失点で自信をつか
んだ南アフリカに押し込まれる展開となった。

■2人のCBは「世界王者」らしいプレー

 この日の南アフリカは、大敗はしたもののスウェーデンやカナダを相手に奮闘したチームではなかった。国際経験のないチームに
とって中2日での3試合目は疲労の頂点にあり、ほとんど動けなかったのだ。

 前線の選手にボールを送り、なんとかしてくれと7人もの選手が後ろで見ているようでは、岩清水梓(日テレ)と熊谷紗希
(フランクフルト)という2人のレギュラー組のセンターバックを置いた日本の守備を混乱させることはできなかった。

 日本のDF陣では、熊谷が「世界チャンピオン」の名に値する際だったプレーを見せ、「失点0」に大きく貢献した。
3BaaaaaaaaQφ ★:2012/08/01(水) 15:23:05.31 ID:???0
■途中出場の川澄にも…

 スウェーデンが勝つなら、日本が1点を奪って勝っても2位となる。佐々木監督は川澄に引き分けを指示したわけではなかった。
ただ、こう言ったという。

 「ほかの選手はこのままでいい。ただ、カットインからのきみの素晴らしいシュートだけはやめておいてくれ」

 岩渕に代わって左MFにはいった川澄は、タッチライン沿いでボールを受けてはバックパスするだけで、何もしなかった。

 佐々木監督の狙いどおり、なでしこジャパンは0−0で引き分け、2―2の引き分けとなったスウェーデン(1位)に首位を譲り、2位となった。

■準々決勝突破への強い思いの表れ

 準々決勝は、日本の試合の5時間後にキックオフされた英国との試合で敗れたブラジルと、カーディフで対戦することになった。

 なでしこジャパンは最初の2試合をコベントリーで戦い、第3戦を戦うためにカーディフにやってきた。その移動で疲れ切り、「移動な
し」を選んだのだという。

 しかし男子U―23代表は、第1戦グラスゴー、第2戦ニューカッスル、そして第3戦コベントリーと転戦し、準々決勝はマンチェスターか
ニューカッスルとなる。そのタフさと比較すると、何と“ひ弱”になってしまったのだろう。

 佐々木監督は批判を承知のうえで2位となることを選んだ。それは、何が何でも準々決勝を突破しなければならないという強い思い
があるからに違いない。

 準々決勝を突破できれば、メダルは目の前。悪くても前回と同じベスト4だ。
4BaaaaaaaaQφ ★:2012/08/01(水) 15:23:20.36 ID:???0
しかしベスト8で止まれば、なでしこジャパンも佐々木監督も猛烈な逆風にさらされ、昨年来の女子サッカーブームがあっという間に
冷え切ってしまう恐れがある。

■「失うもの」が大きくなった証拠

 佐々木監督も選手たちもあまりに重い重圧を背負っている。昨年のワールドカップ以後、なでしこジャパンの選手が勝っている試合
の終盤にコーナー付近でボールをキープし、時間をかせごうという行為を見せるようになった。負けることによって「失うもの」が大きくなった証拠だろう。

 とにかく、佐々木監督となでしこジャパンは、準々決勝で勝つこと以外にこの試合の「汚名」をそそぐことはできない。自らをそこに追い込み、
最高のコンディションで最高のパフォーマンスを見せて勝つ以外にないと考えている。

 私は、南アフリカ戦もしっかりと勝ち、1位だろうと2位だろうと、そして移動があろうとなかろうと、金メダルに向かってまっすぐに突き進んでいって
ほしかった。だが、この道は佐々木監督と選手たちが選んだものだ。狙いどおり、最高の戦いで勝利をつかむことを祈りたい。

■FIFAの規律委員会で問題になるかも…

 だがひとつ懸念がある。佐々木監督の「引き分け狙い」の発言は、競技を運営する国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会で問題にな
るのではないか。前述したように、意図的に勝とうとしないことは、明らかにフェアプレーの精神に反している。

 少なくとも、この試合の日本のフェアプレーポイントは大幅に“減点”されたに違いない。悪くすれば、佐々木監督に何らかのペナルティーが
あるかもしれない。

 そして私自身は、たとえ準々決勝で勝とうと、そしてたとえ金メダルを取ろうと、この南アフリカ戦でのなでしこジャパンの試合をずっと残念に
思い続けるだろう。

 眠い目をこすりながらテレビの前で試合を見守った少年少女たちを含めた日本中の人々を落胆させた罪は、けっして小さくはない。