★「脳泥棒」の寄生生物たち、精神病の原因にも
・人を含む殆どの生き物は寄生虫の宿主に選ばれる。中には宿主に気付かれず、その体内で
ひっそりと育ち、繁殖していく寄生虫もいる。だが、宿主の体を巧妙に操り、そればかりでなく
その体を乗っ取ってしまう寄生虫がいるのだ。
寄生性原生生物のトキソプラズマ原虫は単細胞生物で、通常、ネコの腸内で繁殖する。
この寄生虫が健常成人に感染しても大きな害を及ぼさないと考えられていたが、人の行動に
影響を及ぼすと取りざたされるようになった。
ネコのフンからトキソプラズマに感染すると、一部の女性で自殺リスクが高まると指摘した
研究発表が最近メディアをにぎわせた。
また、統合失調症などの精神疾患とトキソプラズマとの関連性を示した論文も話題となった。
さらに、感染者の間で交通事故率が高いという報告もされた。
トキソプラズマの原虫はネコのフンとともに体外に出て、別の宿主(通常はネズミなどの
げっ歯類)に感染する。そしてネズミの脳や筋肉細胞で無性生殖を開始し、やがては
ネズミの脳を操作するようになる。つまり、ネコから逃げるのではなく、そのフンの匂いに
ふらふらと吸い寄せられていくように変えてしまう。
米疾病予防センターの推定よると、米国だけでも6000万人がトキソプラズマに感染している。
トキソプラズマ原虫がネズミに行ったと同じような脳の操作を、ネコを飼う女性の脳にも
施しているという考えは、強固な証拠は得られていないが、あながち馬鹿げてるとは
いえないかもしれない。
吸虫の一種、ユーハプロルキスは、鳥類、巻貝、魚類の順に寄生していくが、ライフサイクルを
繰り返すには、また鳥類の口に入らなければならない。この役割をメダカの仲間でカダヤシの
一種、カリフォルニアカダヤシが担う。カダヤシの体内に侵入したユーハプロルキスは、
神経を操作し、危険察知の感覚を失わせるのだという。(
>>2-10につづく)
http://news.livedoor.com/article/detail/6781702/