パキスタンのギラニ首相が最高裁の判断で失職した問題で、ザルダリ大統領は20日、
議会を22日に招集すると発表した。最大与党のパキスタン人民党(PPP)
関係者によると、当日、新首相の選出が行われる。新首相は人民党出身者となる公算が大きい
が、就任後、ザルダリ氏の汚職追及を狙う最高裁から大統領の訴追手続きを求められるのは確
実。政権側と最高裁の対立はさらに激化しそうだ。
地元メディアはすでに、新首相の有力候補として、複数の元閣僚の名前を推測を交えて報じている。
ギラニ氏が首相職を失ったのは、汚職罪などに問われたザルダリ大統領に関する審理再開手
続きを進めるよう求めた判決に従わなかったとして、最高裁から法廷侮辱罪で有罪判決を受け
たため。新首相も最高裁の命令を無視すればギラニ氏と同じ運命を辿ることになる。
同国の政治評論家、ナジャム・セティ氏は「大統領は党への忠誠者を次期首相に選ぼうとする
だろうが、新首相はいずれ、審理再開手続きを進めざるを得なくなる」と分析する。
パキスタンでは来春までに総選挙が予定される。首相の失職でザルダリ政権への信頼は大きく
傷ついた。経済の悪化で国民の政府への不満が高まる中、人民党が敗れればザルダリ氏の訴
追手続きは進行し、同氏は窮地に立たされかねない。新首相選出は、時間稼ぎに終わる可能性もある。
ソース:
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120620/asi12062023160003-n1.htm