>>127 ■社会保障の負担の分配…負担を国民の間でどう分割するか
「社会保険方式(社会保険料)」と「税方式(所得税)」は、どちらも国民から徴収されるお金だが、
『「負担のあり方」に対する基本設計が、根本的に異なることを忘れてはならない』。
●社会保険料の基本設計
社会保険料は、厚生年金や職場からの医療保険は、「定率(どの所得の人も同じ割合)」。
だが、「最高報酬標準額(保険料が課せられる最高の収入額)」が定められている。
低所得者に対する免除制度は存在するものの、国民年金は「定額(どの所得の人も同じ額)」であり、
国民健康保険の保険料は、「定額部分(均等割・世帯割)」と「定率部分(所得割)」から成り立っている。
『全体から見ると、社会保険料は緩い《逆進的》な構造』。
●税(所得税)の基本設計
これに対して、税(所得税)は基本的に《累進的》。
▽《逆進的》…所得に対する負担の割合が、低所得者ほど高い。低所得者層は、所得に不相応な負担を強いられ、高所得者層は負担が少ない。
「貧しい階層」から「富める階層」へ所得移転がなされ、「貧しい階層」は更に貧しくなる
▽《累進的》…所得に対する負担の割合が、高所得者ほど高い。負担能力に応じた税率。応分の負担。所得再分配効果が期待される
●消費税
『《消費税は生存に税金を課ける税》で、蓄財や投資には課税されない』。そして、その論理の行き突く先は、法人税ゼロ。
■公費負担の割合(≠金額)を斬り刻み続けた先に待つ未来…《底辺への競争(Race to the bottom)》という現実の絶望
「公的扶助のレベルが落ちると、それに合わせて賃金が落ちる。また、それに合わせて公的扶助が落ちて、また、それに合わせて賃金が落ちて行く……」
と、『終わりがないエンドレス』(当然、可処分所得も減り、デフレになる)。
だから、全体を転換していかなければいけない。