【社会】 「電子書籍…黒船が来た」「2年後には、電車で主婦が電子書籍読む姿が当たり前になるかも」…キンドルで変わる日本の出版業界

★キンドル上陸、変わる出版業界「黒船と同じ状況」

・東京・目黒の結婚式場、目黒雅叙園に隣接する高層オフィスビル。先月入居した電子商取引
 世界最大手、米アマゾンの日本法人本社から男女3人組が現れる。電子書籍端末「キンドル」を
 引っ提げ日本市場への参入を目指す電子書籍事業で、大手出版社との契約交渉を担う部隊という。

 出版4千社のうち現在、アマゾンとの契約合意を認めた出版社はない。中堅の幹部は「合意して
 いてもNDA(秘密保持契約)のため公表できない」と話す。日本法人広報部は事業開始について
 「年内にお知らせできる」とだけしている。

 電子書籍に長年携わるPHP研究所事業開発本部の中村由紀人本部長(55)は「黒船が来て
 明治維新が生まれたのと同じ状況だ。紙の本を電子化する二次利用権、著作隣接権、
 電子図書館で貸し出しする際の公共貸与権…。全てのルールを変えなければならない」と話し、
 こう続けた。

 「出版業界は大手を頂点にした村社会で、出版契約書さえ作っていない版元も多い。だから
 どう対応していいか分からない。あの人たちとどうつき合えばいいか。外資のアングロサクソンが
 来るわけですから…」

 明治以来、出版業界は著者、出版社、取次会社、書店という制作、流通の枠組みである
 プラットフォームを築き上げた。そこへアマゾンという世界的プラットフォーマーが登場した。

 業界も電子書籍を広げようと先月、大手15社が出資し株式会社の出版デジタル機構を
 発足させた。現在の20万点から5年後に100万点へ増やす計画だが、電子化だけでは
 いわゆる「自炊」と変わらない。3年後に2千億円になると見込まれる電子書籍市場という
 プラットフォームをどう築いていくのか。増やした書籍をどうやって売るのか。(>>2-10につづく)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000530-san-bus_all