【話題】 放射能パニックからの生還・・・ある主婦の体験 

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4影の大門軍団φ ★
−−−「苦しみからの解放」とはどのようなことでしょうか。

数年前から幾つかの大きな壁に直面して、困惑していました。私は44歳です。まず自分の年齢により、
容姿とスタイルが明らかに劣化しています。「おばさん」として社会から扱われ、自分もそう見ている。
この現実が受け入れられませんでした。

そして仕事の問題がありました。大きなことをして世間をアッと言わせたい。
長年そんな願望がありました。けれども、何もできていません。他にも子育てや人間関係など悩みは一杯ありましたが、
どれも解決の見通しは立っていませんでした。自信を喪失していました。「心に大きな穴」というか、絶望めいたものがあったのです。

そんなときに、放射能問題によって、すべてがリセットされて、一から人生をやり直すことができるのではないかという思いが起こったのです。
破壊の中に救いを求める気持ちです。私が震災情報に夢中になったのは、それが刺激的で、
これまでの人生の悩みを忘れる事ができるほどのものであったためです。

−−−つまり「強烈な不安」が「心の穴」に蓋をして、生きる目的までつくってしまったのですね。

ええ、そうです。不安が強ければ強いほど現実の問題から目を背ける事ができました。
「放射能で子どもが死ぬ」というのは強烈なメッセージで心底怯えました。
しかも母親として子供を救う使命感もありました。「母親」という立場が、パニックに拍車をかけたと思います。

私は役割を得たとも思いました。思うような人生を歩むことができない事を、社会のシステムの責任にしていました。
「原発」問題は社会に反撃を行うチャンス。原発というこれほど分かりやすい「悪」はありません。

「反原発」を唱えることで、特別な使命を持った選民意識を持てましたし、自己愛が満たされました。
自分のパニックの背景に「自尊心の維持」があったと、今になって思います。