ツアーバスで「置き去り」 キャンセル料の相談も…
高速バスの安全を巡る議論が起きているが、利用者の案内などにまつわるトラブルも
増えている。ツアーバスについて「乗車場所が分かりにくく乗りそびれた」といった
苦情や、キャンセル料の相談が目立つ。
国民生活センターのまとめによると、乗り合いバス(路線バス)とツアーバスについて、
全国の消費生活センターに昨年度寄せられた苦情・相談は計259件。2006年度
(84件)の約3倍になった。
東京都の30歳代女性は昨年4月、ツアーバスを利用した際に休憩時のパーキングエリアで、
置き去りにされた。運転手が点呼で人数を間違えたらしい。「バスの集合場所を誤って
指示され、乗りそびれた」(大阪府の20歳代男性)という相談もあった。
国民生活センターは「高速ツアーバスは添乗員がおらず、運転手が点呼する例が多い」と指摘。
また、決まったバス停を持つ乗り合いバスと比べて乗車場所が分かりにくいことが多く、
案内係が不足している点も問題だとしている。
「キャンセルを申し出たら、バス代の3割を請求された」(千葉県の40歳代男性)といった
キャンセル料の相談も多い。ツアーバスは、乗り合いバスと違い、旅行業法に基づくパック旅行。
出発日までの日数に応じて、キャンセル料が発生する。また、乗車日などを変更する場合、
契約上はいったん解約し、別の契約をすることが多いため、やはりキャンセル料が発生する。
「事業者は、乗車場所などの重要情報やキャンセル手続きなどについて、案内を徹底するべきだ。
利用者は解約条件などを事前に確認を」と国民生活センターは呼びかける。
(2012年5月5日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20120505-OYT8T00080.htm