【経済】民主党、日銀に緩和圧力 独立性が重視される中央銀行に公然と圧力をかける異例の事態[12/04/12]

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373名無しさん@12周年
>>372
「銀行に供給したお金」という視点だと、金融緩和の効果は半分も見えてこないよ。
日銀が「銀行から何を買ったか」「どれだけ買ったか」という視点が重要。

たとえば国債なら、長期金利の低下を通して(ゼロ金利というのは短期金利のこと)、
企業の借入金利を引き下げることが出来るし、社債であればさらに借入金利を抑えられる。
借入金利が下がれば、採算ギリギリだった事業にも企業は投資しようかなと考えるようになる。
また金利下落を通じて円安も進行し投資や雇用の国内回帰も進む。
これらの結果、銀行融資は増えるよね。

他にETFやREITを買うのであれば、資産価格の上昇を通じて企業の担保資産も値上がりし、
信用が十分でない企業が融資を受けられるようになるし、また家計がお金持ちになったと
感じて消費支出を増やす効果も見込める。そうなれば企業の採算も向上し、やはり銀行融資が増加する。

また外貨資産を買えば、もちろん為替レートの下落を通じて国内投資の採算性が向上し、
設備投資や雇用を促し、銀行融資も拡大して景気が浮揚する。まあこれは財務省の管轄という人もいるけどね。

さらに言うと、これら金融資産の買い入れが巨額になれば(日銀のバランスシートが膨らめば)、
日銀が将来のインフレを許容、あるいは促進するシグナルと市場が受け止める効果も存在する。
そうすると日銀が直接資産を買い入れずとも、金融市場ではインフレ予想を受けて資産価格の
上昇や為替レートの下落が生じる。その結果企業の投資や雇用はますます促されることになる。

このように日銀の金融緩和には、直接的に銀行融資を促進する効果以外にも、
企業側の採算性や担保価値向上、家計の消費支出増加を促して、間接的に銀行融資を増やす効果が存在する。
そもそもの話、内部留保や社債、株式発行等で資金調達が可能であれば、
銀行融資が増えすことなく金融緩和で景気浮揚させることが可能なんだよ。

「銀行に供給したお金」という視点では、金融緩和の効果を十分に評価する事はできない。
実はデフレ経済から脱出した歴史的事例を見ても、銀行貸出の増加がデフレ脱出から数年遅れで生じていたりする。