三菱重工業は6日、名古屋市港区の名古屋航空宇宙システム製作所内で、製造中の
ボーイング787主翼内の配線が切れているのが見つかったと発表した。
同社は故意に切断された可能性もあるとして、同日、愛知県警港署に相談。国や
ボーイング社にも報告をしたという。
三菱重工業は配線の切断について、6日午後9時から記者会見して説明。それによると、
主翼を製造している「複合材主翼センター」で4日午前10時頃、メンテナンス用ライトに
つながる配線(直径約2ミリ)が1か所切れているのを、作業員が見つけた。このライトは、
主翼内部の燃料給排口を照らすために取り付けられたもので、2日午後2時の作業の際は
異常はなかったという。ただ、同社は「作業中のミスで切断した可能性もある」としており、
原因について調査を続けている。
同センターに入場できる登録者は約800人で、2日から4日の間に主翼付近で作業に
関わったのは延べ50人前後。監視カメラは24時間作動しているという。
同社では2002年、小牧南工場(愛知県豊山町)で定期修理中の戦闘機と偵察機計9機の
電気系統の配線が切られるなどした器物損壊事件があった。09年にも同工場で、
定期修理中の自衛隊ヘリコプター2機の配線が切断される事件が起きたが、いずれも
未解決のままとなっている。
▼YOMIURI ONLINE(読売新聞) [2012年4月6日23時12分]
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120406-OYT1T01236.htm