朝鮮高級学校(高校)の生徒が強制加入させられる在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の
政治組織「在日本朝鮮青年同盟」(朝青)に対し、北朝鮮の工作機関幹部が新指導者、
金正恩氏への忠誠と思想教育強化を直接指示していたことが1日、分かった。
朝青は課外活動として生徒の思想教育を行う組織。高校無償化獲得運動の裏で、
正恩体制発足以降、思想教育が深まっている実態が改めて浮き彫りになった。
朝鮮総連関係者によると、朝青幹部らが金正日総書記生誕70年に合わせ、
2月11〜23日に平壌を訪れた際、朝鮮労働党の対外工作機関「225局」(旧対外連絡部)の
姜周一部長が「正恩同志の偉大性は講演などでなく、一人一人個別に教育しなければならない」と指示。
別の幹部も「正恩同志の軍事、科学技術への卓越した見識が偉大性を体現しており、
その指導に忠実に従わなければならない」と述べたという。
また、これに先立つ1月には朝鮮総連が朝青の今年の活動方針として、
正恩氏崇拝に基づく思想教育強化を打ち出していた。
北朝鮮の民主化に取り組む民間組織「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)が入手した
朝鮮総連の内部文書によると、「金正恩同志の思想体系、領導(指導)体系を徹底して打ち立て、
所属員の政治思想的水準を高める」ため、正恩氏の記録映像を使った
定期的な学習や講座の開催、訪朝を通じた忠誠心醸成を求めている。
2012.4.2 08:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120402/crm12040208280000-n1.htm >>2へ続く
>>1の続き
同時に朝鮮総連は朝青に対し、高校無償化適用に向けた「闘争」継続も指示。
朝鮮初中級(小中)学校の児童らが加入する「少年団」への指導強化も打ち出しており、
小中学生に対する思想教育も強められる見通しだ。
朝鮮学校では、日本の高校同様の授業が行われているとして高校授業料無償化の即時適用を求めてきた。
その裏で、課外活動を隠れみのに生徒への政治・思想教育を行ってきたのが朝青だ。
225局の指示や朝鮮総連の方針は、朝鮮学校が北朝鮮に直結している実態を改めて鮮明にした。
しかし一方で、朝青幹部から「(指示は)日本で暮らす実情に全く合わない」と反発の声も出たという。
朝鮮総連による思想教育強化方針は極秘とされ、外部に流出しても
出元が分かるよう書式を変えた複数の文書が準備された。(桜井紀雄)
■在日本朝鮮青年同盟(朝青)とは 朝鮮総連傘下の青年を対象にした政治組織で16〜28歳が加入、
朝鮮高級学校(高校)や朝鮮大学校の生徒、学生を中心に約1万2千人が所属しているとされる。
朝鮮高級学校では学校ごとに、朝鮮総連地方本部直轄の「朝青委員会」を設置。
生徒は入学とともに朝青に自動加入させられ、課外授業名目での思想教育が行われている。
2012.4.2 08:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120402/crm12040208280000-n2.htm