【話題】 修士、博士になっても就職できません! やがて哀しき大学院生 「高学歴ワーキングプア—」

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1影の大門軍団φ ★
大学受験が終わり、門出に立つ学生と親御さんに、今だから言える本当の話をしよう。
国立と私立、早稲田と慶応、どの大学にも長所と短所がある。OBも楽しめる各大学の最新裏事情。

「偏差値の高くない私立大から有名国立大に行きたいと大学院を目指し、試験と面接は難しく感じずに合格しました。
基本的には週2~3日授業に出ていればよくて、自分の研究発表は半年に1回くらい。

仲間からは『一番の出世頭だな』ともてはやされたのですが、授業についていけず、研究発表する力も自分にはなかった。
何とか卒業させてもらった今は、地元の布団販売店でアルバイトの日々です」(一橋大学大学院修士課程を修了した男性・30歳)

一生懸命、息子や娘に勉強させて、それなりの大学に進学させた。4年後、もっと勉強して研究者になりたいと言ってきたので、
大学院で修士課程2年、博士課程3年を過ごさせることにした。わが子には輝かしい研究者人生が待っている---と考えるのは幻想だ。

その理由は、学生と社会両方にある。まずは大学院生の現実を見よう。

〈学部時代に就職活動に失敗した。私大から、有名国立大学の大学院に進学する学歴ロンダリング≠果たしたが、
高度な授業についていけず、落ちこぼれて引きこもりになった〉(国立大修士3年の男性・26歳)

〈研究テーマと関係ないAKB48にハマるネットオタク。ブログは欠かさず更新するものの、調査能力に乏しく、
論文はなかなか書けない。アルバイトの予備校講師が本業に〉(東大院博士課程7年目の男性・35歳)

〈研究生活でコミュニケーション能力を鍛えなかったせいか、研究職に就くのを諦めた後に一般企業を150社受けても全て落とされた。
プライドが傷ついて鬱になり、自殺まで考えた。現在は劇団員としての日々を送る〉(有名私大修士課程を修了した女性・25歳)

これらは何も特殊な事例ではない。本来、大学院は研究者養成機関であるのに、
その覚悟と努力に乏しい学生がモラトリアム期間を延長しようと入ってくるし、自由にかまけて怠ける学生も多いからだ。

ましてや、大学院を卒業しても、研究職に就けるのはほんの一握りである。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32013
>>2以降へ続く
2影の大門軍団φ ★:2012/04/02(月) 07:42:45.54 ID:???0
「学生の親が、『なぜうちの子は研究職に就けないのか、職を斡旋してくれ』と直談判に来ました。
博士課程まで修了したのに、研究者になれないのはおかしいという。
しかし、そう言うなら、もっと勉強してほしい」(国立大学大学院教授)

大学に残るのを諦めて就職活動を始めると、大学院で過ごした数年間は単なる回り道。
むしろ新卒なのに三十路手前というのは、4年で卒業した人間より不利に働くことがほとんど。

事実、大学院博士課程卒業者の就職率はここ3〜4年横ばいで推移。四大卒が6割なのに対し、
大学院の人文科学系に限れば、就職率はたったの3割だ。ちなみに、彼らの卒業後の進路の実に1割が、「不詳・死亡」である---。

もちろん、優秀な大学院生も数多くいる。しかし、彼らの待遇は恵まれない。今度は社会の側から光を当てよう。
政府は'90年代から「大学院重点化」政策を進め、それに伴い大学院生が急増。

大学院在籍者数は、'11年度で約27万人と20年前に比べて約3倍にも膨らんだが、それに見合うだけの受け入れ先がないのだ。

『高学歴ワーキングプア—「フリーター生産工場」としての大学院』の著書がある水月昭道氏が語る。

「大学院生に対する世の中の需要がまったく発生していない。国が高学歴の人材を大量につくっているのはいいけれど、
修士や博士を修了した人たちが活躍できる場所が整備されていないわけです。

たとえばiPS細胞をつくる研究室には、超一流の博士たちが100人単位でいますが、
大学も正規雇用枠を用意できず、彼らは生活苦にあえいでいる」

何十倍という審査・試験をくぐり抜け、せっかく見つけた非常勤講師の職は、年収100万円にすら届かないという。

「早稲田など一部の大学は、博士号を取得したものの終身雇用の研究職にありつけない
『ポスドク』(任期つきの研究員)問題について真剣に考え始めましたが、大半の大学は『勝手に職を探しなさい』と何もしない。
そのくせ、教授は学生のためではなく、自分の研究を手伝わせるために学生を大学院に入れようとしている」(大学問題に詳しいジャーナリスト)

かくして肩書だけは一流であるが、定職にはつけず、給与は低く抑えられたフリーターへの道を辿る大学院生が、毎年生産される。