【米国】止まらない「日本化」――親と同居する若者「ブーメランキッズ」の急増

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止まらない米国の「日本化」――親と同居する若者の急増で 2012年 3月 30日

 米国の「ジャパナイゼーション(日本化)」が止まらない。「失われた10年」の話ではない。不況で親の
スネをかじらなければ生活できない若者が増え、パラサイトシングル化に拍車がかかっている、という社会
現象のことだ。

 米民間世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが米国勢調査を基に分析したところによると(3月15日
発表)、複数世代と同居する米国人の割合は、1950年代以来、最多となっている。

 特に、いったん親元を離れたヤングアダルト(25〜34歳)が実家に戻る「ブーメラン化」が進んでおり、
2010年の時点で複数世代と同居する 25〜34歳の米国人は、21.6%に達した。1980年には11%と最低を
記録したが、その後、上昇の一途をたどり、とりわけ過去5年間の増加が顕著だ。その大半が親と同居する
人たちで、10年に親元に戻った若者は、全米で550万人を突破。07年の15%増を記録している。

 こうした事情の裏に、若年層を取り巻く雇用環境の劣化があるのは言うまでもない。

 『アコーディオンファミリー(多層家族)――ブーメランキッズ、苦悩する親、そして、国際競争力への
ツケ』の著者であり、ジョンズホプキンス大学で教鞭を執る社会学者、キャサリン・S・ニューマン教授
(専門は貧困やワーキングプア)によれば、80年代半ば、米国をはじめ、多くの国でダウンサイジングや
アウトソーシング、非正規労働が増加し、労働法の規制が緩和されたことで、新卒レベルの就職難が始まり、
親の「セーフティーネット化」の必要性が高まった。

 若者のブーメラン化は、日本やイタリア、米国など、先進国で広く見られる現象だと、同教授は警鐘を
鳴らす。

 現在、米国では、20代後半から30代前半の米国人の多くが、生活のために不本意な仕事に就いており、
大学院など、学生に戻る人たちも3分の1に上っている。結婚か子供を持つこと、あるいは、その両方を
先延ばしにする人も、34%に達した。

(>>2以降に続く)

▽ウォール・ストリート・ジャーナル http://jp.wsj.com/US/Economy/node_417486?mod=WSJSeries