日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹は言った。「天才と呼ばれる人たちは、他の人たちから断絶した存在ではない」と。
だが、湯川の言葉を疑ってしまうほど、天才たちはときに、ほとんど人間離れした能力を見せつける。
日本中で神童≠ニ呼ばれてきた学生たちが集まる最高学府、東京大学。
そのなかのトップ、首席とはどんな天才なのだろうか。
「僕なんて天才じゃありません」そう謙遜するのは、東京大学教養学部理科3類1年の太田英寿さん(仮名)だ。
理科3類は医学部に進学するための学類で、定員わずか100名、複数年浪人は当たり前と言われる東大最難関である。
その最難関に太田さんは現役で、しかも首席で合格した。
さらに驚くことにセンター試験のあとの2次試験では、数学、理科(「物理・化学」を選択)がともに120点満点だったという。
5科目の合計点は440点満点中390点(理3の合格平均点は例年300点前後)。
本人は「英語でミスったから歴代最高点に届かなかった」と漏らしたという。
彼の出身校は毎年約100名の東大合格者を輩出する中高一貫の進学校、灘高校だ。
彼を中高6年間指導した数学教師・鴨野博道氏はこう評する。
「彼は中学から優秀でしたが、高2の頃、『目覚めた』と言って、輪をかけて数学力を発揮し始めました。
ディリクレ関数≠ネど、大学で習うような数学も自ら勉強して、休み時間には難解な数学の問題を友人と出し合って遊んでいました。
私もその遊びに参加したことがあるのですが、生徒の出した問題を、時間をかけて解いて見せたら、
彼に『僕と同じ解法ですね』と言われてしまいました」
数学の才能が開花した太田さんは、灘高3年生時に、日本代表として国際数学オリンピックに出場し、金メダルを獲得した。
「勉強も聞けば親切に教えてくれるし、ちょっとした小テストの時なんかは、前もってお願いすれば、
早々と解き終えて、こっそりトイレで答えを教えてくれたこともありました。嫌みがないし、いたずら心もあって、人望は厚いですよ。
それに高身長のイケメンです」(灘高時代の同級生)
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