★≪震災直後、NHKニュースを無断でネットに流した広島県の男子中学生(15)≫
・東日本大震災発生直後、大津波警報が赤く点滅するNHKのニュース画面を見ながら、
広島県に住む中学2年の男子生徒は「この画面をネットに流したら、助かる人が
いるんじゃないか」と考えた。
その瞬間、脳裏を懸念と不安が駆け巡った。「相手はNHK、あとでどうなるか」。手持ちの
iPhoneを使って「ユーストリーム」で配信した経験もほとんどなかった。しかし、母親が
阪神大震災の被災者だったことが、少年の背中を押した。「今、東北には自分よりも不安を
抱えている人がものすごい数いるんだ。自分がやらなければ」
配信を始めたのは、最初の大きな揺れから17分後の午後3時3分。ツイッターを介し、
「ユーストリームで地震のニュースを見られる」という情報は、またたく間にネットを駆け巡った。
配信に気付いたユーストリーム・アジアの担当者は迷った。明らかにNHKの著作権を
侵害した「違法配信」だ。普通は直ちに停止する。だが、停電などでテレビを見られぬ人には
貴重な情報源ではないか。
この状況を出張先の米国で知らされたユ社の中川具隆社長(55)は、午後4時ごろには
「われわれの判断で停止するのはやめておこう」と指示する。NHKの要請があった場合のみ
停止する。中川氏は現場にそう伝えた。
ツイッター上ではNHKの対応にも注目が集まっていた。NHK公式アカウント「NHK−PR」は
顔文字やユーモアを交えた「つぶやき」でツイッターの世界では有名人である。
そのNHK−PRが午後5時20分、少年の無断配信のアドレスを、自分のつぶやきを読んでいる
フォロワーに紹介した。そして、こう書いた。「私の独断なので、あとで責任は取ります」
同アカウントの担当は1人の広報局職員だ。「免職になるかもしれないと少し躊躇したが、それで
助かる人が一人でもいるのならと思いツイートした」。そして、少年。「NHK広報さまのツイートが
あったのであそこまでできた。あの中継は、みんなで作り上げたんだと自分は考えます」(
>>2-10につづく)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120306/its12030607340000-n1.htm