【社会】13歳の中学生「何で本は読まなきゃいけなくて、漫画はダメなの?」 本紙に寄せた投書が反響を呼んでいると東京新聞★8

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2春デブリφ ★
(>>1の続き)
 「漫画は古くからある日本の文化。漫画をバカにするのは歌舞伎をバカにするのと
同じ」。そう話すのは、『新・絶望に効く薬』(光文社)などで若者に人気の漫画家、
山田玲司さん(46)。「平安時代の源氏物語絵巻などの絵巻物に始まり、浮世絵、
ポンチ絵(江戸末期の漫画絵)、児童漫画と、絵と文字を組み合わせた文化の歴史は
古い」と話す。
 今や漫画は「クールジャパン」(かっこいい日本)と呼ばれる日本文化の代表で、海
外では小説以上に評価が高い。また岩崎夏海さんの『もしドラ』や、ライトノベルと呼
ばれる本は、漫画と中身や構成がほとんど変わらない。
 こうした事情を挙げ、山田さんは日本の漫画の質の高さを力説。「将棋を指す時と
映画を見る時では脳への刺激が違うように、違いはあっても善しあしはなく、どちらも
人生のお楽しみ。両方を楽しんで」と助言した。

 また『マンガの教養』(幻冬舎新書)の著書がある学習院大教授(フランス文学)の
中条省平教授(57)も「物語性の深い漫画は日本に独特。文字と絵を同時に理解し、
一コマの中身が複雑な作品も多く、読解力が必要で、読んだ経験は絶対にプラス」と
話す。
 その力は「漢字を読む能力と似ている」とも。「日本人は、中国から入ってきた漢字
を音で理解するだけでなく、訓として日本語でも理解し、音声と観念を同時に認識して
いる。漫画も意味伝達の構造は似ていて、その創造性は大事にしたい」

 一方、『心を育てる朝の読書』(教育開発研究所)著者で、学校で始業前に本を読む
「朝読書」を推進してきた元高校教諭の林公(ひろし)さん(68)は「入学試験を
受けるにも、人とコミュニケーションを取るにも、生きていく上で言葉は不可欠。漫画
も、言葉があってこそ中身が理解できる。小中学生は言葉の力が身に付く大事な時期。
漫画もいいが、まずは物語などの本を読み、言葉の力を蓄えて」と説いた。
(続く)