http://mimizun.com/log/2ch/newsplus/1329457148/

このエントリーをはてなブックマークに追加
818名無しさん@12周年
★株主資本主義が日本のIT産業を変える(抜粋)  2

 日本の官庁や銀行に残っているメインフレーム中心のレガシー・システムも、こうした
系列構造と一体のものだ。そこでは銀行の系列ごとに、「ITゼネコン」とよばれる大手ベンダーが、
同じ機能を別々のカスタム・ソフトウエアとして受注し、下請けや孫受け企業に開発させる。
中小ソフトハウスは、こうした特殊なソフトウエアの開発しかできないため、いつまでも
下請けのままで自立できない。
 他方、中小企業に資金を供給するベンチャー・キャピタルも、日本ではほとんどが銀行・証券の
系列であるため、独立系のベンチャー企業は担保がないと資金調達が難しい。結局、彼らは
ITゼネコンに依存せざるをえず、またITゼネコンはカスタマイズしたレガシー・システムで
官庁や銀行を囲い込んで儲けるビジネスモデルを変えないため、いびつな「ITゼネコン構造」が
できてしまっている。
 この系列構造は国内で完結しており、特殊でしかも高価格なので海外には進出できない。
その典型が、携帯電話である。世界市場のシェアわずか9%の日本市場に、10社前後の
端末メーカーがひしめき、携帯電話会社(キャリア)を頂点とした系列構造ができている。
ここでもキャリアがファイナンス機能を果たし、端末を全量買い取る代わりに徹底的に
買い叩き、利潤の大部分をキャリアが取って、端末メーカーとその下請けはほとんど
利益が出ないという状況が続いている。
 こうした「鎖国」状態が長く続いてきたため、日本のITベンダーは国際競争力がほとんどない。
特に「NTT規格」でレガシー・システムを作り続けてきた通信機メーカーは、インターネット
関連の技術と製品について壊滅状態だ。世界標準に合わせることで国際化を狙った
第3世代携帯電話も、W-CDMA そのものが思ったほど普及しないうえに、日本の携帯電話は
過剰性能・高価格で、世界の市場に通用しない。NTTのNGN(次世代ネットワーク)も、
今のままでは「日の丸ネットワーク」になるおそれが強い。