【原発問題】 保安院・寺坂前院長「私は文系なので…」 福島原発の事故で原子力安全委の班目委員長と共に謝罪

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 国会が設置した東京電力福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)の
第4回委員会が15日、国会・衆院別館で開かれ、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長が、原子力の安全規制当局として事故を防げなかった
ことについて陳謝した。

 班目氏は津波や全電源喪失に備える原発の安全指針について「瑕疵(かし)があったと認めざるを
得ない。おわびしたい」と謝罪。指針が改善されなかった背景について「低い安全基準を事業者が提案し、
規制当局がのんでしまう。国がお墨付きを与えたから安全だとなり、事業者が安全性を向上させる努力
をしなくなる悪循環に陥っていた」と言及し、「わが国は(対策を)やらなくてもいいという言い訳に
時間をかけ、抵抗があってもやるという意思決定ができにくいシステムになっている」と述べた。

 寺坂氏は平成16年の美浜原発配管破断事故などを挙げ、「(保安院は)安全規制を進めようと
していたが、個別の問題の改善や安全確保に相当な時間や人員をとられた」と釈明した。

 官邸への助言など、事故当時のそれぞれの行動について、班目氏は「1週間以上寝ていないので
ほとんど記憶がない。私がいた場所は固定電話が2回線で携帯も通じず、できる助言は限りがあった」
と説明。寺坂氏は「私は文系なので、官邸内の対応は理系の次長に任せた」と述べた。

 また、放射性物質の拡散予測システム(SPEEDI)を避難に活用しなかったと政府事故調などで
指摘されていることについて、班目氏は「SPEEDIがあればうまく避難できたというのは全くの
誤解だ」と反論。寺坂氏は「避難方向など何らかの形で有用な情報になったのではないかという思いは
ある」と述べ、異なる認識を示した。

 黒川委員長は委員会後の会見で「安全委員会と保安院は安全を担う使命を持っているが、緊急時の
備えができておらず、事故がない前提で原子力行政を推進するなど、国民の安全を守る意識が希薄だ」
と批判した。

▽産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120215/scn12021522210001-n2.htm