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>>1からの続きです)
塩カルを中心に使う長野市も状況は同じ。納入業者から「なかなか入らない」と言われ、
坂道を優先的にまくようにしているという。市維持課は「少しずつ使うしかない」とこぼす。
「確保に四苦八苦している」(大町市)、「もう一回本格的な降雪があると
各地区に配る分がなくなる」(岡谷市)と、厳しい事情は各地に及ぶ。
融雪に塩化ナトリウムを使う市でも入手が次第に難しくなっている。
松本市は「来週入る予定。週末に寒波が緩むようなのでぎりぎり間に合う」(市維持課)と話す。
国内で主に塩カルを生産しているのは2社。
うち1社のトクヤマ(東京)の広報・IRグループ担当者は
「フル稼働しているが、注文にとても応えきれない」と説明する。
融雪剤用の塩化ナトリウムを国内で生産してきた日本海水(東京)は主工場が福島県いわき市にあり、
東日本大震災の後は生産していない。同社によると、今冬の融雪剤用の塩化ナトリウムは
中国などからの輸入が頼りという。
県内の納入業者によると、塩カルなどは使用量が気象に左右されるため、
各自治体とも大量備蓄せずに必要に応じて注文するケースが多いという。
想定以上の寒波に「今注文を受けても入ってくるのは1カ月後と伝えるしかない」と弱り顔だ。(了)