富山県で行われている日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)で30日、
日中戦争の南京戦で報道された日本軍の“百人斬(き)り”を事実と断定して中学生に教える教育実践が報告された。
“百人斬り”は歴史的事実として認められておらず、教科書にも載っていない。日教組が
長年続けてきた日本軍を誇大に悪く描く自虐的な歴史授業がいまだにまかり通っている実
態が浮かび上がった形で、識者は「極めて不適切」と批判している。教研集会は同日終了した。
“百人斬り”は昭和12年、東京日日新聞(現毎日新聞)に掲載され、旧日本軍の元将校2人が
どちらが先に日本刀で百人斬るか競争を始めたという内容。
真偽をめぐっては、報道に立ち会った元カメラマンが「戦意高揚のための記事で、
あり得ない話だ」と証言したほか、毎日新聞が平成元年に発行した「昭和史全記録」でも「事実無根」と自社の報道を否定。
さらに、両将校の遺族による名誉毀損(きそん)訴訟でも東京高裁が18年、
「甚だ疑わしいものと考えるのが合理的」と指摘している。
ところが、長崎県新上五島町立中学校の男性教諭は「加害の事実」を教える平和学習として、
“百人斬り”の新聞記事や写真を生徒たちに見せ、「日本は中国に攻め入って、
たくさんの中国人を殺しました」「戦争になったら、相手国の人をたくさん殺せば殺すほど
勲章がもらえてたたえられるんです」「だから殺されたのは兵士だけでなく、一般のお年寄りや女性、
子供たちもです」と語りかけていた。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120130/edc12013020470002-n1.htm