治安改善事業に力を入れ、二〇一〇年に刑法犯認知件数の都内ワーストを五年ぶりに返上した
足立区が昨年、再び最多になったことが分かった。多くの自治体で犯罪が減る中、現状維持にとどまった。
区は今後、青色回転灯を付けたミニバイク「青バイ」でのパトロールを始めるなど、防犯対策を強化する。
警視庁がまとめた昨年の犯罪件数の速報値では、足立区は都内二位だった前年比八件増の
一万三百六十三件。二位は江戸川区(前年三位)で、同十九件減の九千六百六十六件。
三位の新宿区(同一位)は同千十六件減の九千五百二十一件だった。二十三区で前年を上回ったのは、
足立区と十一位の江東区だけで、十五区が百件以上減少した。
足立区によると、昨年は夏に車上狙いが急増、年間では前年より百四十一件多い八百十六件に上った。
区は対策として、昨年十月から駐車場経営者らに防犯センサーライト五百個を無償貸与した。
犯罪の三割を占める自転車盗を防ぐため、区内の高校で生徒の自転車のかぎを盗まれにくいシリンダー錠に交換。
区職員による青パト巡回などの防犯活動にも取り組んだ。
区危機管理課は「車上狙いの急増と自転車盗を減らせなかったのが影響した。防犯活動に協力してもらった
区民には申し訳ない。一万件を下回るよう対策を強化したい」。青バイは路地でのひったくり防止などのため、
二月末ごろから始める。 (小野沢健太)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20120117/CK2012011702000018.html