父子家庭にも遺族年金 通常国会に法案提出へ
厚生労働省は5日、遺族基礎年金の支給対象見直しに着手し、早ければ通常国会に提出する
年金改正関連法案に盛り込む方向で調整に入った。現在は夫を亡くした母子家庭にだけ支給されているが、
妻と死別した父子家庭にも拡大する。
夫婦共働きが増え、民主党内にも「男女差別の規定で納得が得られない」との声があることから男女格差の解消を図る。
遺族基礎年金は、国民年金など公的年金の加入者や老齢基礎年金受給者の夫が死亡した場合、
子ども(原則18歳の年度末まで)がいる妻か、子どもに支給される。2011年度の支給額は
子ども1人がいる妻の場合、年101万5900円。
厚労省は父子家庭にも支給すると、対象者は約4万〜5万人増え、給付は数百億円増えると推計しており、
財源の確保が課題になる。
また、現在の支給要件のうち遺族の年収基準が「850万円未満」となっているが「より所得の低い層に限るべきだ」との
指摘もあり、年収基準の引き下げを検討する。
遺族年金の男女格差解消については、民主党の年金ワーキングチームが社会保障と税の一体改革に向けた報告書に
「具体策を通常国会提出法案に盛り込むべきだ」と明記。しかし新たな財源が必要になるため、一体改革の大綱素案では
「具体的な法的措置について検討」とするにとどまった。
ただ、野党にも同調する意見があることから民主党内では法案化推進の意見がなお強い。
厚労省の社会保障審議会年金部会は近く、具体的な支給対象範囲の拡大について議論する予定だ。
スポニチ[ 2012年1月5日 18:12 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/01/05/kiji/K20120105002372370.html