◇変わる エネルギーの未来
昨年は、東日本大震災と原子力発電所の事故で、エネルギー問題を考え直す年になった。その一方で、将来にわたって
エネルギー問題を一挙解決できるかもしれない夢の技術についても構想や開発が進んでいる。日本発の技術が世界の
エネルギー問題の解決に大きく貢献する日が来るかもしれない。
一般家庭以外に、遊休地に太陽光パネルを敷き詰めるメガソーラーも広がりつつあるなか、巨大な太陽光発電所を月に
建設するという構想がある。大手ゼネコンの清水建設が提唱する「ルナリング」構想だ。
月の中心の赤道上は、どの部分かはほぼ常に太陽からの光が当たっている。これを利用するため、月の外周(約1万
1000キロ)に太陽光パネルを敷き詰めて発電し、マイクロ波やレーザー光に変換して約38万キロ離れた地球に届ける構想だ。
◇世界の総量確保も
発電効率を4%程度と仮定すると、幅400キロの太陽光パネルの帯を月面に敷けば、世界で使う年間の総エネルギーを
賄うのに必要な8.8テラワット(1テラワットは10億キロワット)を確保できるという。
パネルの敷設は、地球から遠隔操作できる無人ロボットを活用し、少人数の建設スタッフと共同で作業する。月の表面には
マイクロ波送電アンテナや、レーザー光送光施設を多数設置し、地球側にも受電アンテナ、受光施設をつくる。
※続きます。
毎日jp 2012年1月1日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111230mog00m040018000c.html ▽外周1万1000キロメートルの月を取り巻くように、幅400キロメートルの太陽光パネルを設置。発電した電力は、ソーラーベルトの
中央を走る送電ケーブルに集められ、ケーブルに沿って交互に並ぶマイクロ波送電アンテナとレーザー光送光施設から、電波や光に
変換され地球に届けられる(画像)
http://mainichi.jp/select/biz/news/images/20111230mog00m040012000p_size5.jpg