県内小中学校の大多数が22日、今年の終業日を迎えた。東日本大震災の発生から9カ月が経過したが、
今も仮設校舎で授業を続けたり、体育館が使用できない学校は多い。「震災の影響が残る2学期が忘れられない」
「保護者、地域と一体となって乗り切った」−。被災校の児童・生徒や教職員は特別な思いでそれぞれの終業式に臨んだ。
教室棟や体育館の天井が崩落し、市貝町総合運動公園内の仮設校舎に移転した市貝中は、
町農業者トレーニングセンターで終業式を行った。舞台がないため高さ約20センチの演台を置き、
ピアノの代わりにキーボードを持ち込んだ。ストーブは用意できず、ウインドブレーカーを着た生徒の姿が目立った。
「2学期を振り返ると、仮設校舎に初めて入った時を思い出す」。3年生を代表し倉持愛さんが式の中で振り返った。
2学期から使う仮設校舎は特別教室や給食室を備えるが、足音や隣室の声が響くなど
学習環境は必ずしもよくない。仮設生活は来年度いっぱい続く予定だ。
田上富男校長は式辞で「今年は大変な年だったが、皆さんと教職員、
保護者、地域が一体となって乗り切った」と苦労をねぎらった。
体育館が損壊した高根沢町の西小は、体育館の半分にも満たない広さのランチルームで終業集会を開いた。
窮屈そうに座った全児童456人を前に、蓮見徹校長は
「いろいろなことがあった1年を振り返り、来年の目標を考えてほしい」と呼び掛けた。
一方、校舎と体育館が被害に遭い仮設校舎で授業を行う同町の阿久津小は、
本来なら開く終業集会を断念。新校舎の完成は2014年ごろという。
県教委によると、県内公立小中高全校の約3割に当たる約200校で建物が損壊し、
このうち年内に復旧できるのは4割、本度内は8割と見込んでいる。
校舎が被害を受けた那須町の黒田原小は高学年が同町黒田原中、低学年が
同町朝日小で分散授業を行っているが、校舎補修工事は冬休みで終わる予定。
宇都宮市の清原中央小、同市清原東小も改築・改修される計画だが、当面は仮設校舎での学校生活が続く。
(12月23日)
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/takanezawa/news/20111222/687311