【衝撃事件の核心】 暴力団関係者から現金やスーツを受け取り、妻子がありながら不倫関係の女性としばしば外泊。“飛ばし(他人名義)”の携帯電話を持ち歩き、
日常的に暴力団側へ捜査情報を流していた−。“マル暴の刑事”としての誇りを持っていたはずの警察官は、一体どこで道を踏み外したのか。
地方公務員法(守秘義務)違反などの疑いで逮捕され、後に収賄容疑でも追送検された、大阪府警の元巡査部長(40)=懲戒免職。
全国で暴力団排除の取り組みが進む中で明らかになったのは、およそ警察官のあるべき姿とかけ離れた実態だった。
■同僚の名簿を暴力団側に“売る”
「頼まれてた捜査員の住所録や。書き写したら現物はシュレッダーして」
元巡査部長が差し出した資料は、暴力団対策にあたる捜査4課員の住所や氏名などが記された名簿。受け取った暴力団関係者の元社長(42)は、
「警察で厳しい取り調べを受けた時、捜査員の自宅に郵便物を送ったら、びびるやろ…」と、ほくそ笑んだという。
元巡査部長は、平成19年ごろから、元社長側の求めに応じてさまざまな警察の内部情報を提供していた。捜査員の名簿のほか、
警察車両などのナンバーを照会した結果、特定の人物の犯歴情報…。依頼を受けると、
勤務先の警察署内に設置された部内用のパソコンで情報を検索し、結果を伝えていた。
その一方で、元社長側から約20回にわたって総額で数百万円の現金を受け取り、スーツ2着(計約9万円相当)を贈られていた。
さらに、元社長が金融機関から受けた融資の連帯保証人になったり、交際していた女性の就職を元社長に依頼するなど、密接な交際があったとされる。
元巡査部長は、大阪府寝屋川市の出身。府内の高校を卒業後、大阪府警の警察官になった。当初から暴力団捜査の刑事を志望していたといい、
西署に勤務していた20代のころ念願がかなって刑事課に配属。このあたりから、口ひげを生やすなど“マル暴”を意識した風貌になったという。
ソース 産経新聞 12月11日(日)21時6分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111211-00000529-san-soci (続)