中学校の忍び返しで大けが 生徒と神戸市が和解
通っていた神戸市西区の市立中学校で、校舎に設置された金属柵によって大けがをしたとして、
同市に住む高校の男子生徒(18)が、市に対し約1900万円の損害賠償を求めた訴訟は、
神戸地裁で28日、市が生徒側に約320万円を支払うことで和解が成立した。
訴えによると、この中学校は、男子生徒が在学中の2008年4月から、生徒らが屋上などへ
侵入するのを防ぐため、校舎の屋根や雨どいなどに「忍び返し」と呼ばれる侵入防止用の金属柵を設置。
同年5月、校舎入り口のひさし(高さ約2・4メートル)にぶら下がろうとした男子生徒は、
この金属柵に触れ、右手を切り神経を損傷するなどの大けがを負った。
現在も手がしびれるなどの後遺症もあるという。
原告側は、公立校で忍び返しを設置した例がなく、中学生の未熟な行動特性からこうした行為を
学校側は予見できたとして昨年6月、市を相手取り訴えを起こした。
和解条項では、生徒、市双方に過失責任があったとした上で、今後、市内の学校で生徒指導を行う際は、
生徒の生命、身体の安全確保を最優先に考え、保護者や地域との情報を共有することなどが、
再発防止策として盛り込まれた。
和解成立後、男子生徒は「学校側が責任を認めてくれてうれしい」と話した。一方、神戸市教育委員会事務局は
「早期解決を図るために和解した。今後は再発防止に努めていく」とコメントした。
神戸新聞(2011/11/28 21:31)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004648744.shtml