東日本大震災の被災地や貧困に苦しむアフリカを支援する中古車販売事業の名目で
多額の出資金を集めたとして、愛媛、群馬両県警などは、東京都の中古車輸出販売会社の
社長(60)らを詐欺や出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで捜査していることが26日、分かった。
出資者は関東、関西、四国、九州の計約2500人で出資金は約13億円に上るとみられる。
東日本大震災をめぐる大型詐欺疑惑が明るみに出るのは初めて。
捜査関係者などによると、社長は複数の中古車関係会社を経営。
震災後の6月ごろ、大手自動車会社の東北の営業所の顧客の車が足りないという情報を基に、
「震災で中古車が不足している。被災者のためにもなるし、もうかる」
「埼玉に整備工場を作る」などと勧誘し、大阪、京都、奈良各府県の少なくとも20人から、
利息を約束して計2億円近くを借り入れた。しかし、実際に中古車の買い付けなどはしていないとみられている。
また、社長は経営する別の会社を使い、08年4月から関東、四国、九州などで投資セミナーを開き、
「中古車輸出は、アフリカの人のためになる投資」などと言って配当を保証し、2400人余りから
1口13万2000円で出資金を集めたとされる。出資すると代理店登録され、
中古車情報をファクスすると5年間、毎月3000円の報酬があると誘っていた。
さらに、代理店が新規の代理店を紹介すると報酬が得られるなどと売り込み、出資者を集めていた。
しかし、09年10月ごろには資金繰りが困難になり、配当が滞っていた。
愛媛県警などは今年7月以降、社長や中古車会社らの関係先を家宅捜索。
押収した資料の分析を進めている。【村田拓也、塩田彩】
毎日新聞 2011年11月26日 15時00分(最終更新 11月26日 20時37分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111126k0000e040049000c.html