・全国紙を発行する東京都内の大手新聞社の元社員の男性(60)が今年4月、東京・銀座で
退職の送別会の直後、何者かに連れ去られ、行方不明になっていたことが23日、捜査関係者への
取材で分かった。男性は2日後に解放されて無事に帰宅したが、金融機関の口座から入金された
ばかりの退職金など約1650万円が不正に引き出されていた。
警視庁組織犯罪対策2課と愛宕署は、中国人の女2人が薬物や酒で男性の意識を混濁させて
連れ回し、口座から金を引き出した疑いが強まったとして、昏睡強盗容疑などで逮捕状を
取った。24日に逮捕する方針。
捜査関係者によると、警視庁が逮捕状を取ったのは中国籍の42歳と41歳の無職の女。
2人は今年5月に別の昏睡強盗事件をめぐって逮捕され、窃盗罪などで起訴されており、
現在は公判中。このうち1人は警視庁の調べに対し、「男性からカネをとった」などと、
関与を認める供述をしているという。
警視庁の調べでは、2人は4月下旬、東京・銀座の路上で、元社員の男性を飲食店などに
誘い込み、度数の強い酒や睡眠導入剤を飲ませてもうろうとさせたうえ、新宿区内の
ATMを連れ回してキャッシュカードで現金を引き出させるなどの手口で、計約1650万円を
奪った疑いが持たれている。
捜査関係者によると、男性は銀座で行われた送別会で元同僚らと飲食後、行方不明に
なっており、その直後に、女らに誘い込まれたとみられる。女らは、酔った男性から口座に
退職金など多額の現金が入金されていることを聞き出したうえで、ATMなどで分割して
現金を引き出させたとみられる。男性は2日後に東京・池袋付近で解放され、埼玉県内の
自宅に自力で帰宅した。
男性は事件前後の記憶がほとんどなかったが、警視庁などで調べたところ、体内から
睡眠導入剤の成分が検出されたうえ、複数の口座から退職金などの現金が引き出されて
いたことなどから、昏睡強盗の被害にあった疑いがあるとみて捜査していた。
現金が引き出されたATMの防犯カメラに、男性を連れた女らに似た人物の映像が
残されていたことなどから、2人が関与した疑いが浮上した。(一部略)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111124/crm11112408260001-n1.htm