全国現役最年長の競輪選手として活躍してきた西村康博選手(60)=佐賀県武雄市=が、体力の衰えを
理由に地元の武雄競輪場で11日に行われるレースで40年以上にわたる選手生活に別れを告げることを決め
た。通算614勝は現役3番目。関係者からは“鉄人レーサー”の引退を惜しむ声が上がっている。
西村選手は同県白石町(旧有明町)生まれ。高校卒業後の1970年に競輪界デビューすると、身長164
センチと小柄ながら、鋼のような肉体で91年に通算400勝、2000年に同500勝、09年に同600勝と勝ち星を
積み重ねた。10日には3800レース目を迎える。
約3300人いる選手の平均年齢は30代半ば。毎年下位120人が引退に追い込まれる厳しい世界で勝ち抜き、
現在は六つあるレベルのうち上から5番目のランクで戦う。
夏以降も2勝しており、日本競輪選手会佐賀支部の原司支部長(40)は「息子より若い世代の選手に負けても
悔しがり、厳しい練習を課し続けた精進の人。まだ5年は走る力があり、引退は寂しい」と残念がる。
9日は、これまで観戦したことのなかった妻かよ子さん(55)が初めて武雄競輪場を訪れた。西村選手は
9選手中8位でゴール。残りの出走は10、11日の2回で、11日はレース後、バンク内でファンに別れを告げる。
西村選手は「余力があるうちに引退しようと決めた。最終日は涙で前が見えないかもしれませんが、最後まで
一生懸命走るだけです」と意気込みを語った。
ソース 西日本新聞 2011年11月10日
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/272564 妻が初観戦するレースを終え、ほっとした表情を見せる西村康博選手=9日、佐賀県の武雄競輪場
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