東京都と沖縄県で1日から「暴力団排除条例」が施行され、全国47都道府県すべてで、同様の条例が
出そろいました。自治体が結ぶ契約から暴力団関係者を排除し、事業者が暴力団に利益供与することを
禁止するなどの内容です。
暴力団は、常態的に犯罪行為を繰り返し、市民生活を脅かす反社会勢力です。一つの条例で根絶できる
ほど生易しい集団ではありません。条例が乱用され市民の権利が侵されるようなことがあれば、かえって
逆効果にもなりかねません。いまこそ暴力団追放への大きな社会的合意を広げるべきです。
「甘さ」一掃すべき
暴力団の資金源は、麻薬、賭博、恐喝をはじめ、ヤミ金融や振り込め詐欺など広範囲にわたります。暴力
で市民、民間会社、行政を威迫し、不当な利益を得て、社会全体に大きな害悪を与えています。
金の匂いさえすれば時と場所を選ぶこともありません。東日本大震災の被災地では、指定暴力団山口組
元組員が被災者向けの緊急小口融資を詐取(宮城県)、同住吉会系暴力団幹部が仮設住宅建設現場に
違法派遣(岩手県)など、震災復旧・復興事業まで食い物にしています。東京電力福島第1原発の収束作業
にあたる作業員の「人出し」にも暴力団が手を出しているとされ、東電は7月に「暴力団排除」を宣言したほどです。
まさに「社会のダニ」である暴力団の構成員、準構成員が8万人を数え、その勢力を一向に衰えさせていない
ことの異常を、直視しなければなりません。
>>2に続く
ソース しんぶん赤旗 2011年10月3日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-03/2011100302_02_1.html