2008年のリーマン・ショック以降の世界を牽(けん)引(いん)してきた中国経済に失速の兆候が
広がっている。景気動向の先行きを占う産業用や建設用機械の日本からの対中輸出に急ブレーキが
かかっているのだ。リーマン・ショック後の大規模な景気対策や欧米の金融緩和による投資マネーの
流入でインフレが加速。金融引き締めを余儀なくされるという“副作用”が最大の原因だ。中国の失速は、
外需頼みの日本経済の回復にも重い足かせとなる。
「中国の引き締めがいつまで続くのか注視したい」。日本工作機械工業会の横山元彦会長は、警戒感を
隠さない。
金属加工機や産業用ロボットなど工場で使われる機械の受注額は、重要な景気の先行指標だ。工業会が
今月14日に発表した中国向けの受注額は前年同月比10%減の197億円と、23カ月ぶりに前年を割り
込んだ。「現地資本の電機メーカーなどから一部でキャンセルも出ている」(業界関係者)という。
工作機械以上に失速感が強いのが、油圧シャベルなどの建設用機械だ。業界最大手コマツの野路国夫
社長は、「(国内メーカー全体の受注は)前年比4割減のペースだ」と明かす。同社の今年4〜6月期の中国
売上高は前年同期比23%減の754億円に落ち込んだ。
中国向けの建機輸出は、リーマン・ショック後の4兆元(約50兆円)景気対策を追い風に「倍々ゲーム」
(大手メーカー)で増えてきた。日本建設機械工業会によると、07年度を100とした指数で、10年度は225と
2倍以上に拡大した。だが、11年度は189と、一転して前年割れに転じる見通しだ。
※続きます。
産経msnニュース 2011.9.17 20:51
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110917/biz11091720530011-n1.htm