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>>1のつづき)
情報統制に神経を使う一方、国民への情報発信はなおざりのままだ。野田佳彦首相は記者団の求めにも
かかわらず、菅直人前首相が「多忙」を理由に中断したぶら下がり取材の再開に応じていない。
そもそも民主党政権は情報統制で失敗を重ねてきた経緯がある。菅政権では当時の枝野幸男官房長官が
「閣僚懇談会の内容を話さないように」と要請したが、一部閣僚の反発を招き、かえって政権の混乱を
印象付けた。松本龍前復興担当相は被災地で傲慢な言動をとったあげく「今のはオフレコ。書いた社は
終わりだ」と語り、ほどなく辞任に追い込まれた。
自民党の石破茂政調会長は13日、こう断じた。
「自分たちの失言や立ち居振る舞いの悪さ、不勉強を棚に上げ、みんなマスコミのせいだという。
情報管理をしようとするのは政権末期の特徴だ」
高瀬淳一・名古屋外大教授(情報政治学)の話 「政府批判はメディアの当然の任務だ。政府や政治家が
メディア対策をしたり、間違った報道に抗議したりするのは構わないが、政治的圧力で言論封じをする
ことは許されない。鉢呂吉雄前経済産業相のような常軌を逸した発言について、記者は公共の利益の
観点から書くべきだ。被災者を傷つけるざれ言はオフレコの対象に含まれない。大臣の資質を疑わせる
ことを言っても「オフレコだから許される」というのでは、ジャーナリズムの存在意義がなくなる」
(おわり)