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>>1の続き)
予算(当初予算ベース)では、2011年度が92・4兆円と2009年度の88・
5兆円から歳出の伸びを十分に抑えられていない。これは政権交代前に、予算組み替え
で従来の施策を切って民主党の新規政策を行うとしていたが、それが不十分だからだ。
そのため、民主党マニフェストの見直しを余儀なくされている。
野田佳彦新首相が、政権交代前に書いた「民主の敵」にもあるが、民主党は「政権を
とったら天下りは根絶」、「2万6000人の国家公務員OBが4700の法人に天下
りしており、これらの天下り法人に年間に12兆6000億もの血税が流れている。こ
のカラクリを壊さない限り、どんな予算を組んでも経済危機を乗り切ることはできな
い」、「消費税アップを安易に認めると、そこで思考停止し、今の特別会計のムダ遣い
などのからくり解明はストップする」といっていた。
国民はこの言葉に期待していたが、裏切られた。民主党が予算組み替えができず、財
務省・日銀も使いこなせなかったのは、公務員制度改革を行わず、その結果政治主導を
うまくできなかったからだ。野田政権は公務員制度改革をやるというが、どの程度でき
るのか期待したい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
(以上)