神戸市環境局のごみ収集担当の職員50人が、集めたごみの重量を水増しして出動回数を増やし、特殊勤務手当を不
正に受給していたことが分かった。昨年7月に内部告発で発覚し、環境局が調査に乗り出したが、「具体的な証拠が
なく、懲戒処分にまでは至らなかった」として公表していなかった。
環境局によると、不正があったのは「定車制手当」で、行革の一環として今年8月に廃止された。2010年度の
平均支給額は1人当たり月7740円で、50人で単純計算すると年間で計約464万円に上る。内部調査に対し
「数年前から(不正を)していた」と答えた職員もおり、不正受給額は数千万円に膨らむ可能性があるが、環境局は
「期間や額は不明」と説明している。
ごみ収集では、各クリーンセンター内の路面に設置された計量機にパッカー車ごと載せて、回収量を計る。可燃ご
みは1・1トンで1回に数え、基準回数(10、11年度は5回)を超えて出動すると、1回につき千円(07年度
途中までは1200円)の特殊勤務手当を支給する。
このため計量機の上にパッカー車とともに職員が乗ったり、コンクリートブロックを載せたりして重量を水増しし、
出動回数を増やしていたとされる。
環境局の調査の結果、50人の関与が判明。ただ「1回だけ」「やったことはあるが、よく覚えていない」と曖昧
な受け答えが多く、クリーンセンターのカメラに計量機に乗るところが映っていた職員も「たまたま、そこで同僚と
話をしていた」と答えたという。同局では50人に対し、「教育研修」として反省文を書かせ、半月〜1カ月程度、
すべての特殊勤務手当をカットしたといい、「可能な範囲で厳しく対応した」としている。
ごみの重量の水増しは、神戸市のごみの減量計画にも影響するとみられるが、環境局は「今のところ対応の方法が
ない」と話している。
ソース
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004408895.shtml