>>16 ――最初に子供を欲しいと思ったのはいつ頃ですか。
野田
親がいて子供がいる家庭に育ったから、子供がいるのが自然だと考えていました。
夫がいれば「この人の子が欲しい」と思うけど、漠然と「子供が欲しいなあ」と考える感じで、
子供が欲しいと思いつめていたわけではありません。子供が欲しいというのは、
みんな思っていることです。 それに、私はもともと子供好きですから。
――多忙な国会議員の仕事をしながら、不妊治療を続けていくのはとても大変な事だったと思いますが、
野田さんの人生で、子供をつくることはどれくらいの優先順位だったのですか。
野田
それが唯一の後悔です。結婚したら、当然すぐにできると思っていたし、
子供がある時点で産みにくくなるとは、誰も教えてはもらわなかった。
26歳で県会議員になって、「自分の幸せでなく、有権者のために働け」と言われ続けました。
40歳になって、やっと前の夫と出会った。その時、無知だったので、
生理が毎月あるから子供ができるはずと考えていたけれど、体のほうは遅すぎた。
一番妊娠にいい時期は、18歳から22歳ですよ。36歳を過ぎると妊娠が難しくなる。
そんなこと、学校でも教えないから、私は気がつかなかった。
優先順位なんかつけてはいけなかったけれど、もっと自分の体を知っていれば、
周りや有権者に何を言われようと、「子供を産むには、この時期を逃せない」と説明できたけど、
それをしないでここまで来てしまった。それは若い人に繰り返してほしくない過ちです。
だって、不妊治療はお金がかかるわ、精神的にへこむわ、いいことないですもの。
私みたいなタフな女でも相当へこむ。体外受精は、失敗する度に女性としての能力を否定されるわけです。
最初の結婚で、私はそれを14回やったけれど、思い出すだけで吐き気がします。