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>>12の続き)
こうした状況が続くと、官僚が再び原発の行方を握るという、ゆゆしき流れにもつな
がりかねない。
経産省の原発担当者はこう本音を話す。
「菅首相を相手にしてもしようがない。どうせ、この政権は長くない。海江田さんや
細野さんは、もしかすると次(=首相)がある。こういった人たちは取り込んでおいた
ほうがいい。幸い、菅首相に反感を持っている海江田さんはわれわれを頼ってくるし、
右も左も分からない細野さんは何でも事務方に相談してくる。2人とはいい関係ができ
ている。原発政策も今後はわれわれの思うように動いてくれるだろう」
原発と向き合うべき「トロイカの崩壊」は、当然、被災地・福島の対応を遅らせてい
る。それ以上に、再び官僚主導のエネルギー政策に時計を逆戻ししてしまうことになり
かねない。
【すずき・てつお】 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、
フジテレビ政治部、東京MXテレビ編集長などを経て、現在、日本BS放送報道局長。
著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など多数。
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