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>>4の続き)
さらに、マインドが下がり始めたのは今月に入ってから。
別の経産省幹部によると、海江田氏はこんな会話をしたという。
「海江田大臣は『そもそも、経産省が原発問題を同時に抱えるのは無理なんだ。何と
かしたいけど、どうせ、この政権は続かないから私の任期中に組織を変える時間なんか
ない』と話していた。同情して『そんなことをおっしゃらないでくださいよ』と言った
ら、大臣は『民主党政権自体だってもう末期だな。自民党に委ねるしかないんだろう
か』とまで言っていた」
一方、手柄を独り占めする菅首相にも、それなりの言い分があるらしい。首相を持ち
上げるだけの茶坊主の若手側近は言う。
「事故発生以来、菅首相は東京電力や経産省を信じていない。既成の原子力村にメス
を入れようとしているんだ。官邸主導、政治主導で原発問題を解決しようとしている」
だが、そんな言い訳はお笑い草だ。
菅首相は、当時補佐官で東電担当だった細野氏に対しては、報告のたびにロクに話も
聞かず、「お前は東電に取り込まれたのか! 東電のまわし者だろう」と怒鳴りつけ、
海江田氏に対しても、「あとはうまくやってくれ」と丸投げする。これが官邸主導や政
治主導であるはずはない。単に「疑心暗鬼や、おいしいとこ取りの性格」(民主党議
員)でしかない。
その結果、対応はチグハグになり混乱をきたす。原発問題、電力供給も政治利用しよ
うとする醜悪さ。すべてはガバナンス、菅首相の責任だ。
(続く)