★松本前復興担当相の辞任劇が暴く日本の現実−ペセック
震災への菅首相の対応は進歩的だとは言えないが、同首相を前任者の
4人の首相より悪いと評価するには、過去を慎重に検証すべきだ。
いずれもが首相の座を1年程度で明け渡し、お馴染みの状況が繰り返された。
うち3人は、東電の不適切な安全性評価を可能にし、
国と国民を危険にさらすことにつながった体制を作り上げた自民党出身者だ。
しかし、日本の従順なメディアは、首相退陣の筋書きを律儀にまとめている。
日本の権力層が菅首相を恐れる理由の一つは、
進歩を阻むためだけに存在するような官僚から権力を奪おうとしていることだ。
それに、日本の原子力産業の脅威となっているためでもある。
それは5月に浜岡原子力発電所の運転停止を要請したことで証明済みだ。
福島第一原発事故の対応を誤ったほか、官僚との強い絆によって
保護を受けてきたため、東電に対する世間の目は厳しい。
しかし、東電はここにきて、原発反対の世論の高まりに盾突き、
原発支持に向け業界を盛り立てようとしている。
お気の毒だが、東電が先導役となることを許されるのは経営破綻への歩みだけだ。
松本氏は先導役の悪い見本を示した。日本を見つめるエコノミストらが今できることと言えば、
政府の切迫感のなさに困惑することだけだ。(ウィリアム・ペセック)
Bloombergから抜粋
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a.iIhDfKXAno