平成20年11月に亡くなったニュースキャスターでジャーナリストの筑紫哲也氏=享年(73)=の遺族が、
相続遺産をめぐって東京国税局の税務調査を受け、約5千万円の所得隠しを
指摘されていたことが7日、分かった。遺族側は修正申告を済ませたという。
遺族や関係者によると、筑紫氏の死後、妻ら遺族は筑紫氏の相続遺産を申告したが、
税務調査の結果、海外口座の資産約5千万円を除外していたという。口座には
不動産の売却益が入金されていたとされ、国税局はこうした行為が
仮装・隠蔽にあたるとして所得隠しを指摘したとみられる。
筑紫氏は早稲田大学を卒業後、朝日新聞社に入社。政治部記者や本土返還前の沖縄特派員、
ワシントン特派員などを歴任。「朝日ジャーナル」編集長などを経て、平成元年に
TBS系の報道番組「筑紫哲也NEWS23」のメーンキャスターに就任した。
8年にはTBSのスタッフがオウム真理教幹部に坂本堤弁護士のインタビュー映像を
見せた問題で、「TBSは死んだに等しい」と発言し、反響を呼んだ。
19年5月、肺がんであることを番組内で告白。20年8月11日放送の梅原猛氏との対談が最後の出演となった。
筑紫氏の妻は産経新聞の取材に「国税局に指摘され、
昨年冬に修正申告して、もう終わった話」としている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110707/crm11070711410010-n1.htm