★小泉流まねて延命狙っても…実行力に決定的な差
菅直人首相は、辞めると見せかけながら辞めないという「ずるい方法」で衆院の不信
任案を乗り切った。首相を辞めさせられるのは衆院の不信任案と総選挙だけである。あ
くまで理屈だけだが、このまま総選挙をせずに衆院議員の任期満了の2013年8月ま
で居座りつづけることも可能だ。
こうした菅首相だが、ある人によれば政治手法として小泉純一郎元首相を意識してい
るふしがあるという。もちろん政策そのものはまったく違う。小泉元首相が市場メカニ
ズムを重視する資本主義的な政策であるのに対して、菅首相は社会的な公正・分配を重
視する社会主義的な政策だ。菅首相は小泉改革の成果をまったく評価しておらず、国会
の内外で小泉批判を繰り返してきた。
しかし、党内の小沢一郎氏を「抵抗勢力」に仕立て上げる手法や、浜岡原発の停止要
請をトップダウンで発表したことなど、小泉流の手法を取り入れているように思えると
ころもあるという。
ここにきて、小泉元首相がライフワークとしていた郵政民営化で解散したように、菅
首相も30年来取り組んでいたといわれる自然エネルギー問題を軸として、「脱原発」
をシングルイシューとして解散に打って出るのではないかとの観測も浮上している。そ
れを裏付けるかのように、菅降ろしは菅首相の脱原発つぶしであるとの首相サイドから
リークもある。
しかし、菅首相のエネルギー政策の転換は最近菅降ろしが激しくなって、急に言い出
した。しかも、口だけで実行できない。発送電分離は、菅政権の東電温存スキームでは
できない。
(続く)
■ソース(夕刊フジ)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110623/plt1106231458004-n1.htm