東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて国が行っている放射線量の調査で、現在、避難の対象となっていない
福島県南相馬市の2つの地点で、避難の目安となる放射線量を上回りました。このうちの1か所は、今回初めて目安
の放射線量を超えたということで、文部科学省は「詳細なモニタリング調査を行い、特定避難勧奨地点の検討に活用
していく」としています。
計画的避難区域の目安となる、事故から1年後の積算の放射線量が20ミリシーベルトを超えたのは、福島第一原発
から北北西に33キロ離れた南相馬市の原町区大原と、北北西に25キロ離れた南相馬市の原町区高倉の2地点です。
いずれも、現在、避難の対象となっておらず、原町区大原は前回に続いて、原町区高倉は今回初めて、目安の値を超
えました。半月前の前回の調査で目安の値を超えていた伊達市の3地点では、今回、20ミリシーベルトを下回りま
したが、依然として積算で15ミリシーベルトを上回る高い状態が続いています。また、航空機による調査で比較的
高い値を示したいわき市川前町下桶売では、先月末から新たに調査を始めたところ、積算で16.7ミリシーベルト
と、周辺に比べて高いことが分かりました。政府は、特定の地点だけ放射線量が高い場合は、計画的避難区域にせず
に個別の住宅ごとに「特定避難勧奨地点」に指定し、対象となった住民に注意の呼びかけや、避難の支援を行うとし
ています。
文部科学省の坪井裕審議官は「今回の結果をもとに詳細なモニタリング調査を行い、特定避難勧奨地点の検討に活用
していく」としています。
▽NHKnews(6月22日 5時2分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110622/t10013680441000.html