宮城・松島町の2児水死「ため池にフェンスがあれば…」 周辺に注意促す看板もなく
宮城県松島町幡谷の松島第5小6年、佐藤公亮君(11)と保育園児、目々沢美昭君(5)がため池で死亡した事故で、
ため池の周りには、フェンスや注意を促す看板がなかったことが19日、分かった。
県警塩釜署は水遊び中の事故とみて調べるとともに、ため池の管理者の特定も進めている。
住宅地から1キロほど離れた農道の奥にあるため池の周りには、フェンスや注意を促す看板はなく、
誰でも容易に入れる状態だった。目々沢君の母親は
「フェンスや看板さえあれば、あんなことにはならなかったかもしれない。悔しいです」と話した。
ため池は地元の子供たちに「ザリガニやカエルが取れる池」として知られ、
佐藤君は1週間ほど前にも別の児童とオタマジャクシを取りに来ていたという。
近所の人などによると、佐藤君と目々沢君はともに共働きの両親を持つ一人っ子。
家が隣同士で同級生も近くにいないため、2人でよく遊んでいたという。
佐藤君の同級生の角田真綾さん(11)は「公亮君は行き先も決めずに遠くに行くことがあったから心配はしていた」と話した。
毎週水曜日の和太鼓のレッスンではバチを鬼の角に見立てておどけてみせるなど、気さくな子だったという。
「修学旅行も学習発表会もまだなのに…お線香は悲しくて上げられない」と話し、家に帰った。
2人と一緒に遊んでいた小学1年の男児(6)もおぼれたが、自力で逃げて無事だった。
男児の母親は「びしょぬれで帰ってきて何も話せない状態だった。うちの子だけ助かって申し訳ない」と打ち明けた。
孫が佐藤君や目々沢君とよく遊んでいたという同町の会社員、川住雅彦さん(54)は
「美昭君は元気で、孫がいなくてもうちの庭で遊んだりしていた。もう遊べなくなると思うと…」と声を詰まらせた。
産経新聞 2011.6.20 11:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110620/dst11062012090016-n1.htm