民主党政権中枢で、菅直人首相の早期退陣を求める声がしぼみつつある。首相は退陣表明後も、
東日本大震災からの復興をはじめ各種施策を挙げ、続投に意欲満々。首相の粘りに、退陣の道筋
を付けようとした仙谷由人官房副長官ら政権幹部も攻めあぐねている。
首相は17日の参院復興特別委員会で、東京電力福島第1原発の廃炉に関する法整備の検討
に入ったことを明らかにした。退陣までの「一定のめど」がさらに増えた形で、みんなの党の松田公太氏が
「(退陣を)先延ばししている」と追及しても、首相は「きちんと引き継ぐことが私の大きな役目だ」とかわした。
仙谷氏ら政権幹部は、2011年度予算執行の裏付けとなる特例公債法案の成立と引き換えの首相
の早期退陣に繰り返し言及。退陣後は自民党との大連立を目指す動きを見せた。しかし、自民党はこ
うした取引に応ぜず、仙谷氏らの思惑は空回りした。
首相の執着心は、仙谷氏らへの反発が原動力とみられ、民主党内では内閣不信任決議案に賛成
しようとした議員からも「首相は絶対に辞めない」と諦めの声が出始めている。同党幹部は、首相との
会談で自然エネルギー推進への熱意を延々と語られた後、周囲に疲れた表情で「なるようになるさ」とこぼした。
党内には、政権延命を図る首相にあきれ、「何としても辞めさせる」(中堅)と憤る議員も少なくない。ただ、
辞任に追い込む具体策は見えず、手詰まり感が漂っている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011061700870 余裕の表情の首相
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/20110617at67b.jpg