【毎日新聞】 「内閣不信任決議案が可決…そんな最悪のシナリオだけは回避されたことに、ともあれ安堵する」 〜もう混乱は許されない

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1有明省吾 ◆BAKA1DJoEI @有明省吾ρ ★

東日本大震災の復旧・復興がまだ緒に就かず、東京電力福島第1原発事故が一向に収束しない危機的状況が続く中で、
内閣不信任決議案が可決され、首相交代や衆院解散・総選挙の事態に突入する−−。そんな最悪のシナリオだけは回避されたことに、
ともあれ安堵(あんど)する。

菅直人首相が2日、震災や原発事故対応に一定のめどをつけた段階で退陣する考えを表明した。
造反の動きを見せていた民主党議員も大半はこれを了承し、衆院本会議で採決された不信任案は否決された。

◇辞める時期を明確に
具体的な退陣時期はあいまいなままの異例の表明である。新首相選びが始まれば再び民主党は分裂状態になる可能性がある。
しかし、この非常時にこれ以上政治を混乱させてはいけない。
野党も含め今回の政争を猛省し、国の危機をどう乗り切るのか真剣に考え直す時である。

菅首相と鳩山由紀夫前首相との間で最終決着をつけた民主党の混乱収拾に対し、自民党の谷垣禎一総裁らは「茶番だ」と批判している。
退陣を表明した首相はさらに求心力を失い、政策実行も外交交渉も難しくなる。「だから退陣するなら一日も早く」とも野党は主張している。

この批判に応えるため、少なくとも菅首相はまず、退陣時期を明確にしなくてはならない。実際には原発事故は収束のめどが立たず、
鳩山氏の言うように「第2次補正予算案の編成段階」といっても予算案に何を盛り込むかによって編成時期は変わってくる。
だが、いつ退陣し、その間に何をしたいかを示し、それに全力を傾けるというのが辞めていく首相の最低限の責務である。

それにしても、何と被災者そっちのけの不毛な政争だったことか。(>>2-4へ続く)

毎日新聞 2011年6月3日 2時30分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110603k0000m070130000c.html

2有明省吾ρ ★:2011/06/03(金) 03:01:52.43 ID:???0 BE:436522234-PLT(12066)
>>1(の続き)

再三指摘してきたように、そもそも今回の不信任案提出に大義があったとは思えない。菅政権の一連の対応に不手際が多いのは確かだが、
自民党は誰が首相になり、どんな体制にすれば原発事故が収まって、被災地復興がうまくいくのか、最後まで具体的に示さなかった。
それは無責任であり、結局、政策的には縁遠い民主党の小沢一郎元代表らのグループの造反の動きをあてにして政権を揺さぶるのが目的ではなかったか。

もっと批判されるべきは小沢元代表のグループだ。小沢元代表は「危機の時にこそ強力な政権と指導者が必要だ」と語ったが、
こちらもどんな政権を作りたいのか示すことなく造反に突き進んだ。
矛の収め方を見ても、民主党内の主導権を奪い返したいというのが動機だったとみるほかない。

仮に不信任案が可決され、菅首相が総辞職を選択した場合には新内閣作りは難航し、政治空白が生まれていたはずだ。
一方、菅首相側からは「不信任案が可決されれば解散・総選挙」との声が出ていたが、被災地で今、選挙をするのは極めて困難だったと思われる。
それでも首相が解散を選ぶとすれば被災者無視のそしりは免れなかったろう。
いずれにしても戦後最悪といってもいい政治危機に陥っていた可能性は大きい。

「民主党に政権担当能力があるのか」「政権与党の自覚はあるのか」という疑問をさらに増幅させた点も含め菅首相と民主党の責任は計り知れない。
しかも今回の収拾は一種の弥縫(びほう)策であり、今後、政治の混乱が回避される保証もないのだ。

◇いずれ解散・総選挙を
菅首相が次の代表は「若い世代に」というのは当然だ。しかし、民主党の病理というべき「反小沢対親小沢」の対立は解消されたわけではなく、
新代表=新首相選びではまた抗争が始まるかもしれない。加えて誰が首相になっても国会の衆参ねじれ状況は変わらない。
たちまち新首相は行き詰まり、何も決められない国会が続く可能性がある。(>>3-4に続く)

毎日新聞 2011年6月3日 2時30分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110603k0000m070130000c.html
3有明省吾ρ ★:2011/06/03(金) 03:02:05.02 ID:???0 BE:873044238-PLT(12066)
>>2-3(の続き)

私たちは震災後、与野党の協力体制を作るよう何度も求めてきた。やはり解決策はそれしかない。

自民党の谷垣氏は1日の党首討論で「菅首相が辞めれば党派を超えて団結するのはいくらでもできる」と語った。
即座に辞めなかったから発言は帳消しにするのだろうか。この際、民主党の誰が首相になれば協力するのか提案してはどうか。

大震災の復興対策や原発事故の収束だけでない。税と社会保障の一体改革はじめ与野党で協議し、結論を出していかなくてはならない、
待ったなしの課題は山積している。経過はともあれ不信任案は否決された。
野党は今後、参院で首相に対する問責決議案を提出するなど対決を強めるのではなく、被災者本位、国民本位の対応を取ってもらいたい。

昨年の6月2日、鳩山氏は首相退陣を表明した。それからちょうど1年。今度、首相が代われば3人目となり、
かつて民主党が自民党を批判していたのと同じ首相のたらい回しとなる。本来は解散・総選挙で国民の信を問うのが筋だと改めて指摘しておく。
新首相は東北3県などで選挙が可能になった段階で速やかに衆院を解散すべきだ。

それまでの間は与野党が知恵を出し合い、この難局に立ち向かっていく。それが今回の騒動にあきれ果てていた多くの被災者たち、
そして国民の望みだと信じる。

毎日新聞 2011年6月3日 2時30分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110603k0000m070130000c.html