水素爆発を防げたか?
燃料が水から露出した 3/11 夜に、大量の水素が発生し、サプレッション・プールから、ド
ライウェルへ抜けて、格納容器壁や配管の隙間から抜けて、原子炉建屋に充満し、5Fで
爆発しました。もし、3/11 夜に水素発生を予測して、ベントしていれば、多少、水素を外
部へ逃すことができたと思われますが、大部分は上の経路で、原子炉建屋へ抜けたでしょ
う。従って、水素爆発を防ぐ方法はなかった、と思われます。
勿論、消防自動車を予め準備しておくなど、長期の全電源喪失事故を想定していれば、注
水・冷却が可能であり、炉心露出も水素発生もなかった訳ですが、このような長期の過酷
事故を想定する必要がない、というのが安全規制上の要求であった以上、違法行為はあり
ません。それに、そもそも、こういう事態を想定していたならば、空冷式の非常用ディー
ゼル発電機を、6 号機のように、原子炉建屋に配備していれば良かった訳です。
ベントを早くしていれば良かったのか?
@圧力容器破損は、高熱の燃料ペレット落下によるもので、ベントでは防げません。
A水素爆発を防げないことは、上に書いた通りです。
Bサプレッション・プールからのベントは、直接、煙突へ行くので、結局は放射能を撒き
散らすことになり、ベントを早くしても、放射能災害という点では殆ど変わりません。
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo42.pdf