◇事故後立ち寄り 周辺住民にも不安
東京電力福島第1原発の事故後、福島県外で働く同県出身の原発作業員から、通常ならめったにない
内部被ばくが見つかるケースが相次いでいる。大半は事故後に福島県に立ち寄っており、水素爆発で
飛散した放射性物質を吸い込むなどしたとみられる。周辺住民も同様に内部被ばくした可能性もあり、
福島県内の一部自治体は独自に検査を検討している。
◇時間と共に排せつ、半減期7〜90日
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が16日の衆院予算委員会で明らかにしたデータに
よると、3月11日以降、福島第1原発を除いた全国の原子力施設で、作業員から内部被ばくが
見つかったケースが4956件あり、うち4766件はその作業員が事故発生後に福島県内に
立ち寄っていた。柿沢未途議員(みんなの党)の質問に答えた。
保安院によると、体内からの放射線を測定できる機器「ホールボディーカウンター」による検査で、
東電が内部被ばくの目安としている1500cpm(cpmは1分当たりに検出された放射線量を
示す単位)を上回った件数を電力各社から聞き取った。1人で複数回検査を受けるケースがあるため、
件数で集計した。1万cpmを超えたケースも1193件にのぼった。
いずれも福島第1原発近くに自宅があり、事故後に家族の避難などのために帰宅したり、福島第1、
第2両原発から他原発に移った人たちとみられる。
柿沢氏によると、北陸電力志賀原発(石川県)で働いていた作業員は、3月13日に福島県川内村
の自宅に戻り、数時間滞在して家族と共に郡山市に1泊して県外に出た。同23日、志賀原発で検査
を受けたところ5000cpmで、待機を指示された。2日後には1500cpmを下回ったため、
作業に戻ったという。
(
>>2-に続く)
▽毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110521ddm041040107000c.html