東京電力福島第1原発事故を受け、菅直人首相が節電啓発担当相に任命した蓮舫氏の存在感が薄い。
13日で就任から丸2カ月となったが、お茶の間の注目を浴びた“仕分けの女王”の面影はすでになく、
期待された国民への発信力も疑問符がつく。周囲からは首相の思い付き人事の“犠牲者”との同情論も出て
いる始末だ。(坂本一之)
「(これから)積極的に広報活動、メディアへの登場も含めてさまざまなイベントがあれば積極的に出ていって
訴えていきたい」
東京電力と東北電力管内の企業や家庭に一律15%の節電を求めることが決まったことを受け、蓮舫氏は
13日の記者会見で、節電啓発に努める考えを強調した。
蓮舫氏といえば、事業仕分けでテレビを中心にメディア露出戦略を練り、国民を味方につけることで霞が関の
抵抗を封じようとした印象が強いが、今回その手法はうまくとれていない。
震災発生以降、テレビ出演したのは5月8日に集団食中毒事件に関し、食品安全担当相としてテレビ朝日の
番組に出ただけ。東京都の石原慎太郎知事に節電を要請したり、プロ野球の節電の取り組みに関連して日本
プロ野球選手会の新井貴浩会長と会談したりはしたものの、埋没気味だ。
「節電は海江田万里経済産業相の所管で蓮舫氏には権限がない。政府の情報発信役は枝野幸男官房長官
のため、蓮舫氏が主導的に活動することはできない」
政府関係者はこう同情する。首相が思い付きで任命したものの、実はそうやることがないというわけだ。民主党内
にも「そもそも節電啓発担当相というポストが必要なのか」との疑問がある。蓮舫氏は会見で「(自身の知名度が)
強く生かされていない点は真摯(しんし)に反省したい。各大臣と連携をとりながら発信はしていきたい」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110513/plc11051322190024-n1.htm