児童虐待 最多588件
育児放棄2割増
2010年度に県が認知した児童虐待の件数は588件で、前年度を19件上回って
過去最多となったことが県のまとめでわかった。特に「ネグレクト」(育児放棄)が
前年度比で2割以上増え、前年度から減った「身体的虐待」を初めて超えた。
児童虐待への関心の高まりによって表面化したケースも多いとみられ、
県は「虐待が疑われる場合には、すぐに連絡してほしい」と呼びかけている。
認知件数は、県子ども女性相談センター(高松市)が342件、西部子ども相談
センター(丸亀市)が246件。
虐待の内容別では、「ネグレクト」が前年度を42件上回る230件、暴言などの
「心理的虐待」は同8件増の141件で、ともに過去最多となった。一方、暴力を振るう
「身体的虐待」は前年度比15・1%減の203件。「性的虐待」は14件だった。
虐待を受けた児童の年齢別では、「小学生」が214件で最も多く、「3歳〜学齢前」が148件、
「3歳未満」が103件。一方、虐待者は、実母が408件で最も多く、実父が122件、養・継父が
35件などとなった。
県子育て支援課は、総件数やネグレクトが過去最多となった背景について、人間関係の希薄化や
親の孤立化に加え、昨年7月には大阪市西区のマンションで、放置された幼い姉弟が遺体で
見つかるなど、悲惨な事件が大きく報じられて関心が高まり、相談や通告が増えたことなどが
影響した、と分析している。
また、ネグレクトの件数が身体的虐待を上回ったことについて「身体的虐待は少なからず
親が子どもに関心があるが、ネグレクトは無関心の場合が多い」とみている。このため、
早期の介入が重要としており、「児童の安全確保のため、迅速に対応していきたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20110512-OYT8T01144.htm